水中写真家 中村卓哉さんの写真展『海と森がつなぐ命 -辺野古-』のトークショーに行ってきたよ
『沖縄の辺野古(へのこ)』と聞くと、どんなイメージでしょうか?
わたしが真っ先に浮かぶのは、アメリカ軍基地移設です。
それに伴い現在、辺野古の海の埋立工事が進められています。
2018年9月22日
水中写真家の中村卓哉さんの写真展『海と森がつなぐ命 -辺野古-』に行ってきました。
会場に展示されている写真を、中村さんご本人が一点ずつ解説してゆくスタイルのトークショーも参加しましたのでその様子をご紹介したいと思います。
写真もたくさん載せていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
- 会場は新宿西口エルタワー28階、Nikon THE GALLERY1
- トークショー開始の30分前に到着、あらかじめ写真を眺めて予習
- 14時トークショー開始。写真1枚1枚を丁寧に解説
- 海のことばかり注目しがちだけれど、森と海はつながっている
会場は新宿西口エルタワー28階、Nikon THE GALLERY1
高層ビルの名前が書かれた看板がたくさんありますので、それを頼りにエルタワーを目指します。
各路線の新宿駅西口改札を出て、地下道を歩いていくと雨でも濡れませんよ。
駅直結の地下道を通りエルタワー内に入ったら、高層階行きエレベーターで28階へ。
目的地のニコンプラザはNikonのカメラの販売やメンテナンスも行っているショールーム型の店舗です。
中に入るとズラッとカメラがたくさん並んでいます。こちらでカメラの購入やメンテナンス、相談などのサービスを受けることができるそうです。
「あれ?カメラばっかりだけど…個展はどこ??」とキョロキョロしていると、ニコンのお姉さん「写真展の会場は左手奥に進むとありますよ」
ありがとうございます。進んでいくと『THE GALLERY』の文字が見えました。
スタンド花や胡蝶蘭が届いていましたよ。ステキ。
トークショー開始の30分前に到着、あらかじめ写真を眺めて予習
中村卓哉さんご本人によるトークショーは14時開始で、わたしが到着したのは13時半。
少し早く到着するように出向いたのは、トークショーでお話を聞く前にわたし自身のイメージや感覚、第一印象を感じておきたかったからです。
まずはなにも説明を受けずにサッと見たら、どの写真に惹かれるかな?
そして解説をしてもらった後は、さっき気になった写真はどう映るかな?
ということを心がけてみました。
ギャラリーを一周して、気になった写真は3枚ほど。
まずはこの写真。会場のスポットライトの関係で色味がわかりにくいのですが…
マングローブのお花です。
南国らしい鮮やかな赤色のお花と葉っぱの緑、空の青。わたしが大好きなカラーの組み合わせ。
サイズも大きいパネルだったのでとても目を惹かれました。おうちに飾りたいくらい(笑)
そしてこの2枚。これはサンゴの産卵シーンです。ツブツブがサンゴの卵(厳密に言うと違うけれど)です。
サンゴの産卵は1年に1回だけなんですね。このシーンを見るには運も必要…きっとダイバーなら必ず見たい光景なはず。どんなに幻想的なんだろうなぁ。
そしてその産卵シーンを特等席から眺めるタコの写真。
これ超かわいい!この2枚の写真もセットでお家に飾りたいです(笑)
会場には中村さんのカメラも展示してありました。
手前がカメラ本体。ニコンのD850という一眼レフカメラです。
そして後ろにあるカニみたいな(笑)ものは、カメラを水中で使う際に必ず必要なハウジングと呼ばれる防水ケース。これがないと、カメラ水没します。
両側にアーム(まさに腕のようなもの)が伸びており、その先にカニの爪 LEDライトが付けられています。
すごいですねえ!わたしはコンパクトデジカメのTG-5(OLYMPUS)というカメラを持っていますが、迫力がちがいますね!カメラも写真も。
しかしまだカメラを初めたばかりのわたしには、一眼レフカメラは手が届きません。
まずはTG-5でいい写真を撮っていきたいと思います♪
中村さんのカメラを見ていると、ご本人が声をかけてくださいました!なんと嬉しい!!
カメラと中村さんのツーショット写真を撮らせていただきました!
※きちんとブログに載せることをお許しいただきました
肝心のわたしとのツーショットですが、テンパりすぎて忘れてしまったのでありませんw
わたしは会話をするのがあまり上手ではなくて、聞きたいことは色々あったのですが全部緊張して飛んでしまいましたww
しかし優しい中村さん。低めのボイスでわたしに話しかけてくれます。
中村さん「こんにちは!カメラは何を使っているんですか?」
わたし「こ、こんにちは!わたしはTG-5を持ってます。でも初めたばっかりで、しかもハウジング(防水ケース)を買えなくてまだ海で使ったことないんです…苦笑」
(今考えるとニコンのギャラリーで競合のオリンパスの話をしてしまったw)
中村さん「コンパクトデジカメはいいですよね。その名の通りコンパクトだから、魚と同じ目線になれるし、煽る写真もよく撮れる。」
中村さん「下から見上げるようにして写真を撮ると、背景に海が入っていい写真が撮れる」
なるほどお、、
こ、こういうわたしが好きなアングルも撮りやすいよねってことだと解釈しました。
この時、他にもなにか話したと思うのですが、ちょっと忘れてしまいました。
このあがり症どうにかなりませんかねぇ…笑
14時トークショー開始。写真1枚1枚を丁寧に解説
そうこうしているうちにトークショーが始まりました。
ギャラリーを見渡してみると、老若男女さまざまなお客さんでいっぱいです。
下はどこかの高校の写真部の生徒さんから60代、70代と思われる方までいらっしゃいました。
時間にして1時間強、最後の1枚の説明が終わったのが15時15分ほどでした。
その中で印象的だった中村さんのエピソードと写真のいくつか紹介します。
沖縄県の東海岸 名護市辺野古 大浦湾の生態はやんばるの森が作る
トークショーが始まる前は、あまり気にならなかった写真。
しかし中村さんのお話を聞いて驚きました。ウェットスーツを着て河口から川を4時間かけて上って撮った写真だそうです。
大浦湾の生態系はとても豊か。サンゴ、藻場、砂泥地帯、マングローブの林。
それらはやんばるの森で作り出される栄養が海に注いでいるから。
30本ほどある滝や、広葉樹の森が自然のダム。滝がたくさんあることで、赤土が海へ流れるのを食い止めてくれる。
川底に沈んだ枯れ葉や生き物の死骸が分解され、栄養満点の水になっていきます。
一生に一度の瞬間を撮るためにカメラを持っているんだ
この写真。何をどうやって撮った写真なのか…全然わからなくてあまり気に留めていなかったのです。
しかし中村さんの解説で運命の1枚であることが判明しました。
川で写真を撮っていると突然のスコール。
その雨粒が川面に激しく叩きつけられていたところに、日が差し込んで虹ができている。
これはシャッターを切らなければ行けない!と思い、とっさにハウジング(防水ケース)からカメラを出して撮った写真。
雨が降っているのになぜハウジング(防水ケース)を外したのか?
「本当に大切なシーンはハウジングを外して撮りたい。」
「アクリルやガラスを隔てずに、レンズ1枚でそのままの光景を撮りたいから。」
「本当は濡れたままハウジングを外したりなんてしたくないんです。でも、このタイミングを逃したらもうこの光景は見ることが出来ないかもしれない。」
「カメラはもちろん大切に扱います。でも、一生に一度あるかないかの瞬間を撮るためにカメラを構えているのだから、逃さない。」
ああ、こんな情熱を持っているから人の心を動かす写真が撮れるんだなぁって思いました。
「結局このカメラ、レンズの中が曇っちゃって水没しちゃいましたけれどね。」
海のことばかり注目しがちだけれど、森と海はつながっている
長くなりそうなので2記事に分けようと思います。
今回はやんばるの森編でした。
川底の枯れ葉の写真、水の中じゃないみたくキレイですよね。
透き通っています。
それからカメラが水没しても、一生に一度の瞬間は逃さない。
これがプロの写真家さんだぁ!って感じました。
そのエピソードを踏まえてスコールの写真を見ると、グイッと惹き込まれてしまいます。
「水中写真家 中村卓哉さん写真展『海と森がつなぐ命-辺野古-』大浦湾の海の写真編」
では海の写真編ということで、大浦湾の素晴らしい海の写真と解説をご紹介します。この記事の続編です。
今回の写真展の写真の他にも、辺野古の海とやんばるの森の写真が沢山載せられています。ステキな写真だらけで感動です。手にとって見てください。↓