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ダイビングとオーガニックで美しい人生を送るブログ

【平常心のレッスン】フリーダイバー 岡本美鈴さんの本を読んだ

平常心のレッスン 読書感想

スキューバダイビングを始めてから、ダイビングは器材を背負わないスタイルもあるのだと初めて知りました。

  • フリーダイビング

フィンとマスクだけを身に着けて、ひと息で海に潜るスポーツ。

スキューバダイビングで呼吸する器材を背負い潜る深さよりも、何倍も深い水深へ潜る…

 

「一体どんな世界なんだろう」

と思い手に取ったのが、岡本美鈴さんの『平常心のレッスン。』です。

 

カナヅチで成績オール3だった岡本さんが、世界大会でメダルを取るほど魅了された

『フリーダイビング』

 

スキューバダイビングでも落ち着いて平常心でいることはとても大切なことです。

深海まで潜るための、心のありかたや身体の作り方が岡本さんの言葉で綴られた1冊です。

読んでみて初めて知ったこと、印象に残ったこと、なるほどと思ったことを紹介します。

『フリーダイビング』というスポーツ

フリーダイビングというスポーツ

この本に登場するのは、フリーダイビングというスポーツです。

ウェットスーツとフィンとマスクだけを身に着けて、ひと息で水に潜ります。

 

競技は大きくわけて3種類

  1. 海で垂直に潜り水深を競う
  2. プールでどれくらいの距離を泳げるか競う
  3. プールでどれくらいの長く息を止めていられるか競う

 

どの競技も、ひと息で競います。息継ぎはしません。

海に潜る競技の女子世界記録は104メートル

 

わたしがやっているスキューバダイビングは、空気のタンクを背負うので水中でも呼吸ができます。

しかしフリーダイビングはひと息…

 

「何秒間息を止めていられるだろう?」と思って、実際に息を止めて計ってみました。

何秒間息を止められるか

お? 1分⁉

40秒くらいかなと思っていたので、予想をはるかに超える息こらえができましたw

 

しかし著者の岡本さんはこう書いています。

90メートルをもぐって帰ってくるまで3分あまり。日常ではわずかの時間だけれども、水の中ではとても長い旅に感じる。わたしにとってダイブは、いつだって旅のはじまりの期待と不安に満ちていた。

 

フリーダイビングは、3分間の旅なのですね。

 

『岡本美鈴さん』元カナヅチのメダリスト

本の表紙にはサブタイトルがついています。

カナヅチでフツーのOLだったわたしがフリーダイビングで世界一になれた理由 

 

岡本さん、ずっとカナヅチで水が怖いそうです。フリーダイビングの選手なのに。

これはなかなか驚きました。

だって、泳ぐスポーツですから…。

 

本の中で、岡本さんの気になる言葉がありましたので紹介します。

いちどはキライだからとパスしたことが、あとになってもういちど自分の目の前にあわられることがある。

わたしの経験上、ふたたびあらわれたキライなことは自分にとって重要なことが多い。

だから、こんどはパスをしないで真剣にとり組むべきなのだ。

キライなことは避けていい。やらなくていい。

でも1度逃げたそれに、もう1度ぶち当たったら克服してみよう。

 

『水深100メートルの世界』ひと息で深海へ

フリーダイビング スタート 深海へ

 

水深100メートル。どんな世界なんだろう。

見えるものはーーー、きこえるものはーーー、何もない。

(中略)

身ひとつの心もとなさをささえるのは、全身にまんべんなくかかる水圧だ。

その重さがむしろ、無に帰してしまいそうなわたしを確かな存在として扱ってくれる。

 

なにもない世界。

感じるのは水圧だけ。

スキューバダイビングは、深いところでもせいぜい30メートルほどです。

水圧は、わたしはあまり感じません。

 

深海には光は届きません。

水深100メートルは、宇宙みたいな感じなのかな。

宇宙にも行ったことないけれど。

 

潜ったことのある人にしかわからない世界が、深海にもあるんだなって思いました。

 

『ヨガや瞑想』雑念という猿を受け流す

ヨガで精神集中

ダイブ中、岡本さんは様々な雑念が浮かぶといいます。

雑念から離れて集中することは、フリーダイビングに限らず身に着けておきたいとわたしは思っています。

 

この本のタイトルにある『平常心』をマスターしたいなと思ったことも、この本を手に取った理由の1つです。

 

今やヨガや瞑想は、集中力を高める手段として多くの人が取り入れていますね。

わたしは雑念を消すことはまだまだできません。

消したいのですが、次から次へと浮かんでくる…

 

それを岡本さんは本の中で『心の猿』と呼んでいます。

どんなにヨガを極めても、猿はいなくならないと言っています。だから、

  • 抑え込もうとするのではなくて動きを留め置くこと
  • 追いかけず受け流せば動きはやがて止まること

これが大切ということです。

 

受け流す、か…

わたしはまだまだ猿に振り回されているなって思いました。

つい追いかけてしまうんですよね。

これは練習あるのみ。

 

筋トレの前後、ストレッチの時に『猿はスルーしておとなしくなるのを待つ』を意識してみようと思います。

 

『インナーマッスル』見えない身体を強く美しく

イルカと岡本美鈴さん

泳ぐスポーツだから、岡本さんもオリンピックの競泳の選手の様にゴリゴリなのかな?と思っていました。

でもこの写真!

美しいですね…

イルカなのか、マーメイドか…

 

体の内側のインナーマッスルを鍛えることで、

姿勢をよくして、身体を引き締めるエクササイズ効果が得られるけれど、フリーダイビングでは、酸素消費を抑えて効率的なフィンワークをおこなうことができる。

 

スキューバダイビングでも、酸素消費を抑えれば長く潜っていられます。

それから、普段の生活でも、しなやかな身体は美しいですよね。

女性ならなおさら、見た目の美しさには磨きをかけたいものです。

 

インナーマッスルを意識したトレーニングも取り入れようっと。

プランクがお手軽ですぐできますね。

▼関連記事

www.delphis-blue.com

 

『映画 グランブルー』ジャック・マイヨール

この本を読んで、初めてジャック・マイヨール氏のことを知りました。

1960~80年代に活躍したフリーダイビングの神様と呼ばれる方です。

 

ジャック・マイヨール氏の自伝をもとに作られた映画『グランブルー』(1998)を

見てみたいと思います。(でもテレビないんだよなぁPCで見れるかしら)

 

それから、本も執筆しているのでそれも。

 

『地上に還るためのダイブ』光の世界へ浮上する旅

そして水面に達する最後の瞬間、フリーダイビングで経験できるもっともうつくしい光景に出会うことができるーーー。

地球の上、海の青さ、風のにおい、わたしたちが生まれたこの現実の世界。

ただいま。ありがとう。生きている。その幸せを伝えたい。

 

水深100メートル、光も音もない世界から浮上を始める時、生きて還るために力を振り絞って地上を目指す。

 

そんな場所への旅だからこそ、生きているという事を実感できるのかもしれません。

普段、なんとなく生きてしまいがち。

目標や夢はあるけれど、明日死んでも後悔しない今日を送っているか?と考えたら、

わたしはもっと生きることに全力になれるって感じました。

 

スキューバダイビングは、海中でも呼吸ができるスポーツ。

でも1歩間違えれば死と隣り合わせでもあります。

 

でもだからこそ、海に潜ることが魅力的に感じられるのかも。

 

そんな風に感じました。

 

『平常心のレッスン』というタイトルの答えがふんだんに書かれた内容か、と言われれば 少し期待外れに感じると思います。

具体的な練習方法などを紹介する本ではありません。

 

でも、生きること。海に潜ること。について考えたいわたしにとっては「なるほどな」と思える良い本でした。