食後の眠気は血糖値が原因?緩やかな糖質制限で元気と健康をコントロール
お昼ご飯を食べると眠くなりますね。
午後いちばんの仕事はなかなかはかどらないものです。
人間の体は、お昼ごろになると一旦眠くなるようにできているそうです。
しかし眠気を覚まそうとしてコーヒーやエナジードリンクに頼るのはあまりオススメしません。
ではどうしたらよいのでしょうか。
わたしはいつも、ランチには野菜とお肉をたっぷり食べるようにしています。
主食のご飯や麺類はたまにしか食べません。
ランチに炭水化物を少なくすることを心がけていると、不思議と耐えられない眠気は襲ってこなくなりました。
そのメカニズムを調べてみましたのでご紹介します。
血糖値の乱れが眠気を引き起こす
炭水化物は糖質と食物繊維からできています。
そのうちの糖質が眠気と関係していると考えられています。
糖質を摂取すると、血液中の糖分(血糖値)が急激に増えて高血糖状態になります。
血糖値が急上昇すると、今度は意識とは関係なく体が血糖値を下げようと働くのです。
血糖値が上がれば上がるほど、体はせっせと働いてくれるのですが、その時に勢いあまって必要以上に血糖値を下げすぎてしまいます。
これが低血糖状態です。
食事によって急上昇する血糖値
血糖値に影響する栄養素は糖質だけと言われています。
炭水化物や砂糖の成分のうちのほとんどを占める糖質は、摂れば摂るほどグングン血糖値を上げていきます。
これは、脳にたくさんの栄養を行き届けるために必要な作用です。
しかし炭水化物をお腹いっぱい食べてしまうと健康的な血糖値を上回ってしまい、「これはマズイぞ!」焦った体の機能がグイグイ血糖値を下げまくるということが起きるのです。
上がった血糖値をがんばって下げすぎて低血糖状態
そして血糖値が下がりすぎた状態が「低血糖状態」
この低血糖状態が、眠気やだるさの原因と言われています。
頭がぼ~っとして、仕事に集中できない。なんとなく体がだるい。
これがランチタイムの後の眠気の正体であると考えます。
ランチには定食やパスタなど、炭水化物を食べることも多いですよね。
最近ではご飯大盛り無料!のお店もたくさんあるますし、モリモリご飯を食べて午後もがんばるぞ!と意気込んでも、
結果的にその炭水化物が血糖値を急激に上げ、その反動で今度は低血糖状態にさせてしまうということです。
血糖値がもっと下がっていくとどうなるのかご存知でしょうか。
手足が冷えて震えてきたり、くらくらして気持ち悪くなったりしてきます。
ここまでならば体が反応してなんとか血糖値を上げてくれ、大抵の場合は回復に向かうことができます。
しかしこれよりもさらに血糖値が下がるととても危険です。
今度は意識が朦朧としてきてたり、ヒヤヒヤして変な汗をかいたりしてきたら、
迷わず糖質が含まれるものを食べてください。チョコレートや飴でもなんでも大丈夫です。
これはあきらかにエネルギー不足によって起こる体の不調です。
わたしたちが健康に生きるためには糖質はゼロにしてはいけない栄養素なのです。
低血糖状態を放っておくと意識を失い、最悪の場合命に関わります。
血糖値の急上昇と急降下は老化に繋がる
このように、血糖値の上下が激しくならないようにランチはもちろん食事には気を遣いたいところです。
低血糖状態が危険なことは説明をしましたが、高血糖状態もあまりいいことはありません。
化学の授業のような内容になってしまうので詳しくは割愛しますが、高血糖になるとタンパク質と糖がくっついて「糖化」という現象が起きます。
「糖化」は体の老化を促進する原因の一つと考えられており、せっかく食事で撮ったタンパク質が本来の役割を果たせなくなってしまうのです。
タンパク質は筋肉や血液など体のすべての材料です。わたしたちの体は毎日あたらしいものに生まれ変わっています。
糖化はその生まれ変わりを妨害するのです。
また、血糖値の上下が激しければ激しいほど、脳細胞がダメージを受けて認知機能が低下するという研究結果もあるそうですよ。
一回の食事の糖質はどれくらいにするべきか
では、どれくらいの量が血糖値の上下動を極力抑えてくれる量なのでしょうか。
先ほども釘を刺しましたが、炭水化物を食べないのはそもそもエネルギー不足になるのでダメですよ。
糖質も立派な栄養素です。わたしたちが生きるために必要な原動力になるものです。
たとえダイエットをしていても、自己判断で糖質の摂取量をゼロにしてはいけません。
日本人はお米が大好きだし、小麦を使ったパンや麺類もみんな大好きです。
目安になる量は、いつも食べている量よりは少ないと感じるかもしれません。
糖質の目安はおにぎり一個とおかずを腹八分目
一食ではおにぎり一個分の糖質量が目安です。おにぎり一個でだいたい30~40グラムほどの糖質が含まれている。
おにぎり一個じゃ全然足りない?その分、おかずをたくさん食べましょう。
野菜たくさんのサラダでもいいし、ステーキでもOKです。
糖質があまり含まれていない野菜やお肉・お魚を合わせて食べれば満足できる量になりますよ。
定食屋さんではお茶碗一杯よりもちょっと少なめのごはんの量にして、おかずをモリモリ食べます。
パスタ屋さんでは…少なめはちょっとできなそうだね…
パスタなどの麺類は毎日ではなく、たまににしてみたらいかがでしょうか。
満腹になるまで食べるのも、たまににしておきましょう。
食べ過ぎた後の苦しさはきっと誰もが知っているはずです。
苦しすぎて気持ち悪くなったり、やる気でなくなりますよね…><
腹八分目でストップしておけば、すっきり午後の仕事に取り掛かることができますよ。
糖質制限はゼロではなく緩やかに減らすこと
大事なことなので何回も言いますね。糖質はゼロにしてはダメですよ。
お医者さんにかかっている人は別ですが、自己判断で炭水化物を全く食べないと決めてはいけません。
脳のエネルギーは糖質から作られます。
糖が足りないと体がどんどん言うことを聞かなくなってきます。
低血糖で危険な状態になってしまいますし、何よりもおいしいものを食べないことはストレスになるはずです。
炭水化物やおやつを食べるのが悪いのではなくて、大量に食べるのが良くないのです。
大量に食べるから、血糖値が激しく上下してしまうということです。
大丈夫ですよ、炭水化物もおやつも、少しくらい食べてください。
ダイエットするなら一日に糖質150グラムを目安に
一日で多くても150グラムほどに糖質は抑えるととても効果的と言われています。
ダイエットも兼ねて糖質を抑えるならば、70グラム~130グラム。
もちろん目安なので、オーバーしてしまう日があってもいいんです。
ムキムキ美ボディのクロスフィットトレーナーのAYAさんでも、週に1度は好きな物を好きなだけ食べるそうです。
穏やかな血糖値の上下で健康的な体をつくろう
眠気やけだるさ、やる気が起きないといった症状は血糖値も大きく関係しています。
食事によって急上昇した血糖値が、数時間後に急降下することによって低血糖状態になり、ぼ~っとしてしまうのです。
ということは、ランチには炭水化物をちょっとだけ少なくして代わりにおかずをモリモリ食べればいいということです。
もちろん糖質だけが原因ではありません
もちろん午後の眠気はそれだけが原因ではありません。
日頃の睡眠不足や溜まっている疲労もあるでしょう。悩んでいる時も眠くなりますよね(…わたしだけかな?)
糖質はたくさんある原因の一つであることを覚えておいてくださいね。
午後の眠気をコントロールする方法の一つが、ランチの糖質を控えることです。
それでもどうしても眠かったら、潔く15分~30分ほど昼寝してみましょう。
何を食べようかな?食事を工夫して眠気対策をしよう
血糖値の乱れがもたらす影響は、食後の眠気を和らげるだけではありません。
適度に、緩やかに糖質を制限することで、血糖値の上下を穏やかにすることは肌や筋肉にもいいことですし、
元気でいるための秘訣であると思います。
(なにせ糖化は老化の原因ですからね)
よくテレビで地方の元気なおじいちゃん・おばあちゃんが登場しますが、あの人生の大先輩たちはみんな野菜やお肉、魚をたっぷり食べると口を揃えておっしゃいます。
野菜やお肉のおかずをたくさん食べ、ごはんは小ぶりなお茶碗一杯。
日本料理でもフレンチでも、コースの最後に出てくる食事(炭水化物)はほんのちょっとです。
それ以前に前菜や汁物、肉や魚のメインディッシュで充分お腹いっぱいになるように、メニューが考えられています。
炭水化物メインではなくおかずをメインと考えると、自然と糖質を控えた食事をすることができますよ。
参考文献:糖質制限の真実 山田悟著(幻冬舎新書)