中性浮力を感じるコツってある?どうやって練習すればいい?
ダイビングを始めると立ちはだかる『中性浮力(ちゅうせいふりょく)』。
中性浮力が取れている、という状態は、水中で浮きも沈みもせずにバランスが取れている状態のことを指します。
ダイビングをより楽しく安全に上手になるにはこの中性浮力は必要不可欠なスキル。
でもどうやってコツを掴めばよいのでしょうか。
今回は中性浮力のコツや練習のしかたについて紹介したいと思います。
- 中性浮力を体感的に感じる方法
- 中性浮力を取る練習の方法
ダイビングにおける『浮く』と『沈む』
まず、ダイビングにおける言葉の解釈について説明して置かなければなりません。
なぜならダイビングを初めたばかりのわたしは、その言葉の意味をきちんと捉えられておらず、
中性浮力についてしっかり理解できずに悩んだことがあったからです。
浮くは、水面に向かって浮き続けること。
沈むは、海底に向かって沈み続けること。
です。
中性浮力を感じるコツは呼吸を意識すること
ダイビングのライセンスを取得する際に少し勉強しますが、頭で理解するのと実際に海に入って感じるのでは全然感覚が違います。
「習うより慣れろ」です。
常に自分の呼吸を意識することが中性浮力を感じる近道です。
ダイビング中はゆっくり大きく長い呼吸をするようにしましょう。
ゆっくり深呼吸するイメージでOK。
BCDの吸気・排気で浮力の調節もしつつ、呼吸によって体が浮き沈みするということを体感していきます。
息を吸うとふわ~っと体が浮かぶ。
そのまま息を吐くともとの位置に戻る。
これが中性浮力が取れている状態です。
息を吸っても体が沈んだまま、あるいは吐いてもうかんだままという場合はBCDに吸気したり排気したりして調節しましょう。
中性浮力を取る練習
水深によってBCDに送る空気の量は違いますので、海中を移動して水深が変化したら
その都度、体が沈んでいっていないか・浮いていっていないかを確認すると良いです。
これが中性浮力を取る練習になります。
一般的なファンダイビング(ライセンス講習ではない、楽しむダイビング)だと、
海中散策をしますね。
その移動中、中性浮力を意識した移動を心がけてみましょう。
具体的にはこうです。
- ダイブコンピューターを見ながら同じ水深で潜る。
- 海底から数メートル(だいたいの目視でOK)の位置をキープする。
着底しそうになったら息を大きく吸って体を浮かせる。
浮きすぎないうちに、次は息を吐いてもとの水深に戻る。
おそらく1回の呼吸(吸う→吐く)による水深の変化は1メートルもないと思います。
体が沈み切る前に吸う。浮きまくる前に吐く。
を心がけていればだんだんとコツを掴むことができますよ。
なぜ中性浮力が大切なスキルなのか?
ではここで、なぜ中性浮力は大切なスキルなのかをご説明します。
中性浮力が取れていると良いことがたくさんあります。
- エアーの消費が抑えられる
- サンゴや生き物を傷つけずに済む
- 安定したダイビングができる
1,エアーの消費が抑えられる
中性浮力が上手に取れないダイバーは、BCDの給排気だけで浮力を調節しようとしてしまいます。
すると当然、呼吸に使うためのエアーをたくさん消費してしまいますので
他のダイバーさんよりもエアーの持ちが悪くなります。
呼吸を整えて、BCDへのへの給排気は補助的な位置づけで浮力の調節を行えば、
エアーの消費を抑えることができるのです。
2,サンゴや生き物を傷つけずに済む
『生き物を傷つけない』ということは、ダイバーになったら絶対に心がけてほしいこと。
中性浮力が取れずにずっと沈んだままですと、必ず海底に着底していることになります。
するとどうでしょう。
そこにいる魚を驚かしてしまうかもしれません。小さなウミウシなど、手で潰してしまうかもしれません。。。
サンゴ礁の広がる海だったら、うっかり手をついてサンゴを折ってしまうかもしれません。。。
ダイビングは、海の中の環境をできるだけ邪魔せずに楽しむべきだとわたしは考えています。
そのために、中性浮力は必要不可欠なスキルなのです。
3,安定したダイビングができる
中性浮力の感覚、初めは意識しないと難しいものです。
しかし、たくさん潜れば潜るほどどんどん体が覚えてくるスキルでもあります。
すると、「あっ、体が沈んできてる!息を吸って~~…」
とか考えなくて済むようになる。
つまり余計なことを考えなくて済み、ダイビング中のストレスが減っていくのです。
ダイビングは精神的な部分が大きく関わるスポーツですから、不安要素は少ないに越したことはありません。
その意味でも、中性浮力をマスターするということは落ち着いてダイビングを楽しむことができるようになるということに繋がっていきます。
まとめ|中性浮力は呼吸で感じ、BCDは補助的に給排気
ひとことに中性浮力と言っても本当に難しいです。
ですが何本もダイビングを重ねていくうちに、「あ!今バランス良く浮力が取れているかも!」と体感できるもの。
諦めずに練習していきましょう。
息を吸ったらふわっと浮かぶ、吐いたらもとの位置に戻る。
↓
自然と呼吸をすると、多少の浮き沈みはするが、だいたい同じ水深で漂うことができる。
です。